大納言メモ

好きな事について気楽に書いていきます。

県内の城を歩こう!#10花倉城 後編

こんにちは!

今日は前回の続きを書いていきたいと思います。

#10花倉城の後編です。

 

まずは城までの行き方を少し・・・

前回も書きましたが、花倉城は非常にアクセスのしにくい場所にあります。

山城は麓に駐車場があり歩いて登っていくのが一般的だと思いますが、花倉城の場合は山の頂上付近まで車で登っていくことができます。

そのかわり幅の狭い一本道がずっと続きます。

「ここから花倉城登り口」という標識もわかりにくくて(たぶん無かったような気がする・・・)、この付近の道は途中で引き返すことも難しいので、1人で登っていくにはかなり勇気が必要です。

頂上付近には2台ほど駐車できるスペースがあります。

 

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駐車スペースの横にはこのような解説板があります。

登っている途中も花倉城跡を示す看板はほとんど無いのでとても不安ですが、これがあれば正解です。

 

駐車場から城跡へはすぐです。

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登ってくるときには標識がほとんど無かったのですが、城跡に近づくとこれでもかというくらいに順路を示してくれますw

 

曲輪や堀の遺構は比較的わかりやすいです。

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花倉城は山奥にあるイメージでしたが、二の曲輪からは志太平野を一望でき駿河湾まで見渡すことができます。

今川家がここに拠点を置いた理由が少しわかったような気がしました。

登ってみて初めて気づく、地図上だけではわからないことがあるから城巡りは楽しいですよね。

 

 

ここで、前回も参考にさせて頂いた「藤枝市史」に面白い話がありましたので紹介したいと思います。

花倉の乱で敗れた玄広恵探今川義元の夢枕に立った」

という話です。

 

桶狭間の戦いへの出陣前夜、玄広恵探が義元の夢枕に立ち「西へは行くな、出陣をやめろ」と忠告したそうです。

それを聞き義元は「敵である恵探の話など聞けるか」と断ると、恵探は「今川家が滅びようとしているときに、これを愁えぬわけにはいかない」と言ったそうです。

結局義元は予定通り駿府を出立するするのですが、ちょうど花倉の近くの藤枝を通りかかった際、今度は町の中に恵探が立っていたそうです。

さすがの義元も無視できなくなったのか、切り捨てようとして刀に手をかけました。

しかし、義元以外に恵探の姿が見えていた者は誰もいませんでした。

 

・・・というお話です。

その後は皆さんもご存知の通り、西へ兵を進めた義元は織田信長に討たれ、恵探の言ったことが現実になってしまいました。

このお話は江戸初期の「当代記」という書物に書かれているそうです。

これがもし本当であれば、義元は尾張までの道中で家臣にこのことを相談したのでしょう。(義元が再び駿河の地を踏むことは無かったので・・・)

戦に向かうため弱気なところは見せられませんが、不吉な出来事なので側近には相談したのかもしれません。

それが桶狭間の後も語り継がれて「当代記」に書かれたのではないでしょうか。

 

恵探は敗者であるにも関わらず、今川家存続のため敵の義元にわざわざ忠告をしに亡霊となって出てきました。

この話が真実であれ作り話であれ、これを家臣たちが語り継いでいたのが面白いですね。

このエピソードを知って恵探のイメージが変わりました。

今までは「無謀にも家督欲しさに乱を起こした恵探」というマイナスな印象でした。

ですがどうでしょうか。

前回書いた花倉の乱や今回の夢枕の話。

恵探の別の一面が見えてきたような気がしませんか?

歴史は勝者が書きかえるものですから、義元や雪斎によって恵探が悪く書かれていたとしてもそれは当然のことなのかもしれません。

しかし、実は恵探の方が当主としては優れた人物だったという可能性もあるのではないかとも思えてきました。

今イメージしてるほど悪い人ではないのではないかと・・・

まあ、昔のことなのでなんとも言えませんがw

少なくとも今常識とされる歴史が当時の非常識ということは往々にしてあるという事ですね。

細かいエピソードから埋もれてしまった人物像を見つけていくのもまた歴史の面白いところだと思います。

例えば最近は、大悪人と言われてきた松永久秀までもが実は非常に有能な武将だったと取り上げられます。

大河ドラマ明智光秀もしかりです。

本当に歴史は何が真実で何が嘘なんだかわかりませんw

研究がより進めば見えてくるものがあるのかもしれません・・・

かといって私は研究者ではないので、研究者の方々の新発見をテレビや雑誌で見てあれこれ考えて、説を自分なりに作って楽しんでいきたいなと思っておりますw

 

研究者の方々、頑張ってください!w

 

 

ではそろそろ終わりにしたいと思います。

また次回よろしくお願いします。

ありがとうございました。