大納言メモ

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県内の城を歩こう!#7諏訪原城

こんにちは!

今回は諏訪原城を取り上げたいと思います!

 

 

諏訪原城静岡県島田市金谷にあります。

金谷は東海道の宿場町として栄えた地で、現在はSLで有名な大井川鉄道があることでも知られています。

東は大井川、西は牧之原台地の北端にあたり、それらに挟まれるように町が広がっています。

諏訪原城は台地の先端にあたり、金谷の町からは急崖を登ったところに位置しています。

#6で取り上げた小山城と同様に、台地を利用した天然の要害で、付近には東海道が通る交通の要衝でもありました。

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諏訪原城天正元年(1573年)に武田家によって築かれたお城です。

築城者は馬場信春。当時徳川方にあった高天神城、および遠江攻略のための拠点として活躍しました。

また、台地を沿うように流れていた大井川を利用し、下流の小山城と連携をとることで強固な防衛ラインを形成していました。

つまり、武田家にとって諏訪原城下流の小山城は遠州高天神城)攻略の拠点でもあり、駿河防衛の拠点でもあったのです。

 

ちなみに「諏訪原城」という名前は、武田方が城内に諏訪大明神を祀ったことが由来だそうです。

現在も城跡内には祠のようなものがあります。

諏訪大明神というのがまた武田の名残っぽくていいですよねw

諏訪原城長篠の合戦の後徳川方に攻略されてしまうのですが、その時は牧野城と呼ばれたそうです。(牧之原台地にある城だからかな…?)

でも現在は諏訪原城という武田時代の呼び名が一般的です。

 

 

そんな武田方の諏訪原城は上記したように、長篠の合戦後1575年に徳川家に奪取されてしまいます。

それまで小山城などと連携を取りながら機能していた防衛ラインが機能しなくなりました。

諏訪原城の城兵は小山城へ逃げ込みます。

東海道・大井川を監視できる諏訪原城を徳川に奪われたことによって、高天神城への輸送や援軍も徐々に困難になっていきます。

そして1581年に高天神城が落城し翌年から甲州征伐が開始されると、小山城の兵も城を捨て武田領国へ引き上げます。

その際、逃げ切れる見込みの少ない女性たちは堀に身投げをしたと伝わります。

諏訪原城兵の関係者もその悲劇を味わったのかもしれません。

こうして駿河防衛ラインは崩れ武田は滅亡の一途をたどり、徳川が駿河を占領することになります。

以上が#4から紹介してきた武田vs.徳川の遠州高天神城)攻防戦です。

堅牢な城と強固な防衛ラインを形成していた武田家でしたが、長篠の戦いで状況は一変しました。

自然を生かして非常に上手く作られた城と支城ネットワークでしたが、武田家が滅亡してしまったことでそれを知る地元民は多くありません。

駿河における武田家の活動をもっと知ってもらえるよう発信を続けていきたいと思います。

 

 

話がそれてすみません。

諏訪原城の話に戻りますw

 

 

諏訪原城の良いところは、武田流築城技術が見られることと見学のしやすさです。

武田流築城技術は、#6小山城でもご紹介したように丸馬出と三日月堀の事です。

諏訪原城では綺麗なそれらを見ることができます。

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丸馬出

私が訪れたのは数年前ですが、綺麗に整備されていて城の特徴がよくわかる素晴らしい山城だと感銘を受けた覚えがあります。

2019年にはビジターセンターも設置されたようで、より整備の進んだ、見学する方にやさしいお城になっていると思います。(私ももう1度行こうと思います…w)

また通常山城の遺構は山肌がむき出しであるため、登山のようで足にも負担がかかるのですが、諏訪原城にはウッドチップが敷かれており非常に見学しやすく足にやさしいお城でした。

駐車場からも近いですし、山城といっても台地上に築かれていますので城跡内は比較的平坦で、見学しやすいお城となっております。

 

 

最後に城内からの眺めをお見せしたいと思います。

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写真は城から南東の方角(駿河方面)を見ています。

手前にはJR東海道本線金谷駅があり、奥には大井川が流れています。

大井川の向こう側が駿河国になります。

当時は大井川が城の近くを流れていたそうなので、より堅固な城であったことが伺えます。

山城は天守がないことが一般的ですが、それでも高台にあるので眺望がすばらしいです。

広く見渡せることもそこに城が造られた理由の1つだと思います。

景色を眺めながら懐古するのもまた城巡りの醍醐味です。

このアングルとは別ですが、天気の良い日には富士山も望めます。

 

ちょっとしたハイキング気分でも良いと思います。

ぜひ訪れてみてください!

 

今回はこれで終わりです。

次回は、駿河の城を取り上げたいと思います!

これまで徳川・武田の城が多かったので、今川の城を取り上げてみようと思います。

 

それでは!